喘息・咳喘息・気管支喘息

喘息とは?主な症状

喘息とは?主な症状

喘息とは、気道に慢性的な炎症が生じている状態です。喘息発作を繰り返しQOLが低下します。
体質、埃、タバコの煙、ストレス、ペットの毛など、さまざまなものが原因となります。

  • 発作性の咳、痰が続く
  • 明け方に咳症状が強くなる
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音がする
  • 冷たい空気にあたると咳が出やすい
  • 咳止めが効かない
  • 風邪をひいたとき咳だけ長引く

気管支喘息の症状や特徴

喫煙しないのに咳が出る、ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)が鳴り、気管支拡張薬の吸入で楽になるといった特徴があります。アレルギー体質の方、小児喘息のあった方、気管支喘息の家族がいる方は、発症のリスクが高くなります。

咳喘息の症状や特徴

8週間以上の間、痰の絡まない乾いた咳が続く、風邪をひいたあとに咳症状だけ長引くといった特徴を持ちます。気管支喘息とは異なり、ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音はありません。症状が軽いものでは、春や秋など特定の季節だけ症状が悪化するケースもあります。

喘息の重症度

喘息の重症度は、症状の頻度・強度、夜間の症状の現れ方などによって、以下の表のように4つに分類されます。

【軽症】
間欠型
【軽症】
持続型
【中等症】
持続型
【重症】
持続型
頻度 ~週1回 週1回以上
(毎日ではない)
毎日 毎日
強度 軽度な症状で、短い 月1回以上
日常生活や睡眠が妨げられる
週1回以上
日常生活や睡眠が妨げられる
日常生活に制限がかかってしまう
夜間の症状 2回未満/月 2回以上/月 週1回以上 しばしば

喘息になる原因は2タイプに分けられる

アトピー型喘息

ダニ、埃、カビ(真菌)、ペットの毛といったハウスダスト、花粉、その他植物性アレルゲン、接触性アレルゲンなどを原因とします。「アトピー」というと「アトピー性皮膚炎」を思い浮かべるかもしれませんが、「アトピー型喘息」は、アレルギー反応が気道で起こるアレルギー性疾患です。
小児患者の70~90%、成人患者の30%ほどが該当します。

アレルゲンの種類

アトピー型喘息の原因(アレルゲン)には、以下のようなものが挙げられます。

アレルゲンの種類 具体的な例
吸入性アレルゲン ダニの死骸・フン、カビ、ヒトや動物の毛、花粉、ホコリなど
植物性アレルゲン 小麦粉、卵、そば、牛乳など
接触性アレルゲン 塗料・建材の化学物質、衣服、化粧品など

非アトピー性喘息

ウイルスの感染、気候の変化、過労、ストレス、肥満、運動、タバコの煙、大気汚染、食品添加物、薬剤などを原因とします。特に多いのが、風邪やインフルエンザといったウイルス感染によって起こる病気をきっかけとして咳が止まらなくなり、喘息に至るケースです。
また、非アトピー性喘息の発症と肥満に深い関わりがあることが指摘されています。

子どもの喘息・大人の喘息は何が違う?

同じ喘息でも、子どもの喘息と大人の喘息では、いくつかの点において傾向が異なります。
また、肺・気管支の成熟度、喫煙習慣の有無などによって、治りやすさにも差があります。

アレルギーの有無 特徴
小児喘息 アトピー性が多い
  • 2~3歳で60~70%、~6歳で80%が発症
  • アトピー性皮膚炎、他アレルギー疾患と併発する場合が多い
  • 痰が多くなりがち
  • 喘鳴が起きやすい
  • 肺の成長とともに症状が落ち着き寛解に至る
成人喘息 非アトピー性が多い
  • 過労やストレスで体が弱った時に風邪などがきっかけで発症する
  • 40歳以降に初めて発症することが多い
  • タバコ、アルコール、ストレスなどから慢性化・重症化しやすい
  • 女性の場合、生理中に症状が悪化することがある

※寛解…長期間症状が出ない状態

喘息と合併しやすい疾患

喘息と合併しやすい疾患

喘息の方が特に注意すべきなのが、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった鼻の病気の合併です。鼻と気管支がつながっていることが、合併のしやすさに影響しているものと思われます。
また、アレルギー疾患も合併しやすくなっています。

  • アレルギー性鼻炎
  • 慢性副鼻腔炎
  • 好酸球性副鼻腔炎
  • 好酸球性中耳炎
  • EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
  • ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)とのオーバーラップ

喘息の症状を抑えるための方法(生活習慣の改善)

薬をきちんと続ける

喘息の治療目標は「発作の予防」です。症状が落ち着いているときも、気道では常に慢性的な炎症が続いています。症状がないからといって自己判断で薬の使用をやめないようにしましょう。
症状がないことを「薬(長期管理薬)のおかげだ」と考え、治療を継続してください。

こまめに掃除をする

ハウスダスト、外から持ち帰った花粉などとの接触を避けるため、こまめに掃除をしましょう。特に近年はエアコンの普及、建物の気密性の向上により、室内の空気の入れ替えが不十分になりがちです。
エアコンのフィルター、加湿器、寝具、カーペット、クッションカバー、カーテンなども、定期的に掃除・洗濯しましょう。

禁煙する

喫煙、副流煙の吸入は、喘息症状を悪化させます。
がんや生活習慣病の予防のためにも、できる限り禁煙してください。当院では、禁煙補助薬(チャンピックス)を用いた禁煙治療も行っております。

風邪・インフルエンザを引かないように予防する

非アトピー性喘息は、風邪やインフルエンザをきっかけとして発症・悪化することがあります。帰宅時の手洗いやうがいはもちろん、日頃から食事・運動・睡眠に気をつけ、免疫力を高めておきましょう。

内臓脂肪を減らす

内臓脂肪の増加も、喘息症状を悪化させる原因となります。
バランスのよい食事、適度な運動により、肥満・内臓脂肪の蓄積を改善しましょう。

ストレスを溜めない

ストレスが喘息を悪化させることがあります。
趣味、運動、半身浴など何でも構いませんので、ストレスを解消する方法を見つけ、日頃から実践しましょう。

適度な運動を行う

過度の運動は喘息の原因になることがありますが、適度な運動は喘息のコントロールをサポートしてくれます。
長く身体を動かしていないという方は、散歩程度の負荷から開始するのがよいでしょう。

喘息の治療方法

喘息の治療では、薬物療法が基本となります。
長期管理薬と、発作治療薬を用います。

長期管理薬

喘息による発作を予防するために気道の過敏性を抑制するお薬です。
吸入ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬、テオフィリン製剤、長時間作用型β2刺激薬、長時間作用型抗コリン薬などを単独あるいは併用して使用します。難治性喘息の場合は、経口ステロイド薬、抗IgE抗体:オマリズマブ(ゾレア®︎)、抗IL-5抗体:メポリズマブ(ヌーカラ®︎)、ベンラリズマブ(ファセンラ®︎)や抗IL-4/13抗体:デュピルマブ(デュピクセント®︎)などの生物学的製剤も併用する場合があります。

発作治療薬

発作が生じたときに使用するお薬です。
主に、高い即効性を示す短時間作用型β2刺激薬を使用します。発作がひどい場合には、テオフィリンの点滴、ステロイドの全身投与、アドレナリン皮下注射などが必要になります。
会話ができなかったり、横になれないほど症状が重い場合には、緊急治療が必要です。

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