呼吸器内科

北巽の呼吸器科気管支、肺、胸膜などにかかわる疾患・症状を診療します。具体的な疾患名としては、肺炎(細菌性肺炎や間質性肺炎など)、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、気管支拡張症、サルコイドーシスなどが挙げられます。咳や痰が長引く、動悸、息切れなどの症状が認められるという場合には、お早目にご相談ください。

このような症状はございませんか?

  • 咳が止まらない、長引く
  • 痰が絡む
  • 動悸、息切れがある
  • 夜中に咳き込んで目が覚める
  • ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)
  • 少し歩いただけ、駅の階段を上り下りしただけで息が切れる
  • すぐに風邪をひくようになった

呼吸器内科で診療する疾患例

肺炎

細菌やウイルス、カビなどにより肺が炎症を起こし、咳、痰、ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)、息切れ、発熱などの症状が見られます。体力・免疫力が低下したときなどには特に発症リスクの高くなる病気です。抗菌薬などにより治療を行いますが、放っておくと重症化する恐れがあります。

間質性肺炎

肺が炎症などで肺胞壁が厚く(線維化)なることで硬くなり、空気を吸っても十分に肺が膨らみにくくなる病気です。また、厚くなった肺胞壁が、酸素を取り込んで二酸化炭素を出すといった正常のガス交換を妨げるため、息切れや咳などの症状が見られます。関節リウマチや皮膚筋炎などの膠原病や、病院で処方される薬や漢方薬・サプリメントなどの健康食品、職業や生活上でのホコリや石綿、ペットの毛やカビなどの慢性的な吸入、特殊な感染症などが知られています。
しかし半数以上の症例が、原因を特定できない特発性間質性肺炎であり、その中の特発性肺線維症(指定難病)は、50歳以上の喫煙習慣のある男性に多いことが知られております。禁煙や基礎疾患の治療、原因薬剤の中止などにより治療を行いますが、特発性肺線維症は進行性の病気であり、進行抑制が期待できる抗繊維化薬(ピルフェニドン:ピレスパ®︎、ニンテダニブ:オフェブ®︎)が使用されます。

気管支喘息・咳喘息

喘息気道に慢性的な炎症が生じ、様々な刺激に気道が敏感になり発作的に気道が狭くなるのを繰り返す病気です。
埃、タバコの煙、ストレス、ペットの毛など、さまざまなものが原因となります。小児喘息は、特定のアレルギー物質に反応して生じる「アトピー型喘息」がほとんどですが、成人喘息はアレルゲンが特定できない「非アトピー型喘息」がほとんどを占めます。夜間から明け方にかけて症状が悪化しやすく、鎮痛剤の使用(アスピリン喘息)や運動の後(運動誘発性喘息)に発作が出現する事もあります。発作時には「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸音(喘鳴)とともに、息切れが生じることがあります。
発作が起きていない時も常に気道には炎症が生じており、放っておくと「リンモデリング」といって気管支自体が厚く・硬くなり治療が難しくなります。採血、胸部X線検査、呼吸機能検査、呼気NO検査などを行い、総合的に診断します。喘息の治療目標は、「発作の予防」です。吸入ステロイドやロイコトリエン拮抗薬といった長期管理薬(普段から炎症を抑え発作を予防する薬剤)の他にテオフィリン製剤や、難治性喘息に対しては、抗IgE抗体:オマリズマブ(ゾレア®︎)、抗IL-5抗体:メポリズマブ(ヌーカラ®︎)、ベンラリズマブ(ファセンラ®︎)や抗IL-4/13抗体:デュピルマブ(デュピクセント®︎)などの生物学的製剤も併用する場合があります。発作時には、発作の程度に応じて、気管支拡張薬に加え全身ステロイド投与を行い、酸素投与や入院が必要となる事があります。

肺気腫・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

タバコの煙を主とする有害物質を長期にわたって吸入することで肺に炎症が生じ、肺気腫や慢性気管支炎を伴った病気の総称が「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の約9割が喫煙者と言われており、喫煙を始めた年齢、喫煙本数、喫煙年数などの喫煙量に比例して発症リスクが高くなります。
咳、痰、身体を動かしたときの息切れ(労作時呼吸困難)が主な症状として挙げられます。息切れは誰でも激しい運動したときに起こる反応ですが、階段を昇ったり、少し早足で歩いた程度で息切れが生じるときには注意が必要です。呼吸機能検査や胸部X線検査、CT検査により診断します。
治療は、禁煙時期が早ければ治療効果も高くなるため、早期の禁煙が有効です。薬物療法薬の中心は、気管支拡張薬であり、長期作動型抗コリン薬や長期作動型β2刺激薬などを単独あるいは併用して使用します。また、ウォーキングなどの運動により下肢筋力を強化することで生活の質を改善すると報告されています。
増悪期には、抗生剤やステロイド治療を行うこともあります。

肺結核

結核菌が肺や気管支に感染することで起こる病気です。結核菌が肺胞領域まで到達・増殖し、そのうち10~23%において、肺結核を発症します。糖尿病、がん、低栄養の方、免疫抑制剤・副腎皮質ステロイド・生物学的製剤を使用している方、胃切除後の方、HIV感染している方など、免疫力の低下した方に発病しやすいと言われています。症状としては2週間以上続く慢性の咳、体重減少、倦怠感などが挙げられますが、これらの症状が乏しく発見・治療が遅れるケースも珍しくありません。胸部X線検査やCT検査、喀痰検査、IGRAと呼ばれるインターフェロンガンマを測定する血液検査により診断します。結核菌を排菌している場合には、ヒトからヒトへ感染する可能性があるため入院治療が必要となり、基本的には複数の抗菌薬を用いて6ヶ月間治療を行います。

非結核性抗酸菌症(肺MAC症)

抗酸菌のうち結核菌以外の抗酸菌への感染によって引き起こされる病気を「非結核性抗酸菌症」と呼び、その90%以上をMAC菌感染による肺MAC症が占めます。MAC菌を含めた非結核性抗酸菌は、結核菌とは異なり、ヒトからヒトへと感染することはありません。自然界の水回りや土壌、ほこり、水道・貯水槽などから誰でも吸引しており、数年から10年以上をかけて徐々に進行します。基本的に予後は良好ですが、慢性の咳、血痰、呼吸不全などを起こすこともあります。去痰剤などの対処療法に加え、複数の抗菌薬を用いて治療を行います。

睡眠時無呼吸症候群

治療開始肥満や扁桃・アデノイド肥大などが原因で、主にいびきを主症状として睡眠時に何度も無呼吸状態に陥ってしまう病気です。酸素が十分に供給されないため、心不全、不整脈、狭心症・心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが高くなります。現在、潜在患者を含めると国内だけでも300~400万人の方が睡眠時無呼吸症候群だと推定されています。一方で治療を受けている方は、そのうちの1~2割に留まります。
日中に強烈な眠気に襲われるようになり、命にかかわるような大事故につながるケースも見られます。
自宅でできる簡易検査から一泊入院して行う検査などがあり、重症度に応じた治療が必要です。

気管支拡張症

気道の壁が何らかの影響で拡張し、元に戻らない病気です。
先天性(生まれつき気管支が拡張)のものと、重度の呼吸器感染症(肺結核や細菌性肺炎など)や慢性的な呼吸器感染症(非結核性抗酸菌症など)、関節リウマチやシェーグレン症候群などの膠原病、真菌に対するアレルギー反応(アレルギー性肺アスペルギルス症:ABPA)などにより起こる後天性のものがあります。拡張した気管支には、緑膿菌などの細菌が感染しやすく、咳や痰(血痰)、発熱、倦怠感、呼吸困難、体重減少などの症状が見られる事があります。胸部X線検査やCT検査、喀痰検査、呼吸機能検査、採血などにより診断します。
一般的には去痰剤や鎮咳薬、気管支拡張薬による治療が行われますが、増悪を繰り返す場合は、少量の抗菌薬(マクロライド系)を長期間使用する事もあります。

肺がん

肺および気管支の細胞から発生する癌(悪性腫瘍)を「原発性肺癌」と呼び、これに対し大腸癌など他の体の部位から肺に転移した癌を「転移性肺癌」と呼びます。悪性腫瘍は良性腫瘍とは違い、正常な組織に浸潤し、破壊しながら増殖・転移するものをいいます。一言で肺癌と言っても、肺腺癌・小細胞肺癌・肺扁平上皮癌・大細胞癌など多くの種類の肺癌が存在します。また診断時点で早期のものから末期のものがあり、それぞれ全身への影響や治療方針が異なります。しかしながら特徴的な症状はなく、咳、痰、血痰、発熱、息苦しさなど呼吸器症状としてありふれたがものが多く、進行するまで無症状な事もあります。
近年は、遺伝子変異による肺癌に対して様々な分子標的薬(ゲフィチニブ:イレッサ®︎など)が使用され、また従来の抗がん剤に加え、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ:オプジーボ®︎など)も使用出来るようになりました。早期に発見されたものは様々な治療の選択肢があり、早期発見・早期治療が求められます。

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